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キラキラ

第29章 バースト7

Sho


ぼんやりとして荒い息を吐く潤の唇を、優しく塞いだ。

どこか、遠い目をしている潤の舌を吸って、ゆっくりとキスを深くしてゆくと、

「ん……」

甘い声を出して、反応してくれる。
正気に戻って、と、ひとしきり、唇の柔らかな感触をお互いに楽しんでから。


「……大丈夫か」


と、囁いてやれば、恥ずかしそうにコクンと頷いた。

両手をだらりとシーツに投げ出した潤は、立てた足にも力が入らないようでグラグラだ。

繋がったままのそこだけが、つい今しがたまで高みをかけ上がっていた俺たちの間の熱の余韻を残している。


「痛かったか?」


……いつもより少し荒く抱いてしまったのは認める。


「ううん」

「悪い、俺、お前の涙に煽られるみたいだ」

「なにそれ……変態」

「いや、マジで」


汗にまみれた額をゆっくり撫で上げてやると、潤は微笑み目を細めた。


「んー……でも、気持ち良かったよ……」


小さく発された言葉にホッとし、ベタベタな体をぎゅっとくっつけると、体内で俺の角度がかわるのか、潤が、ん……と、切なく喘いだ。


潤とつきあうようになって、分かったことがある。

俺は自分でも驚くほど嫉妬深い人間だった……と、いうこと。

映画館で、自分の知らない男が、潤に近づいただけで、心がチリチリした。

風磨の学祭で、俺が潤をイベントに参加させなかった、と聞いた智兄は、

『へぇ……意外とおまえは、縛るタイプなんだな』


と、一言。


え……俺、ひょっとして重い男??、と一瞬本気で悩んだ。


しかしそのあと、健人にその話をしたら、恋人なら当然でしょ、と言われて、安心したものである。


「……潤」

「ん……?」

「好きだ」


そっと囁くと、潤は恥ずかしそうに頷いた。
その顔にグッときて、我慢できずに、俺はもう一度腰を動かしかけて、潤の手に押しとどめられた。


「……ストップ。そろそろ智さんが帰ってくる」


休日出勤してる智兄は、いつもより早い時間に帰宅するはず。
でも、この胸の中の潤を手放すのは惜しくて……。

俺は、無理を承知で交渉する。


「もう一回だけ」

「ダメ」


ソッコー却下。

……だよなぁ。


「どうしても?」

「可愛く言ってもダメったらダメ。抜いて……早く」

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