
キラキラ
第3章 フラワー
しばらく、翔くんの柔らかい唇を味わってから、体を離し、俺は肩にひっかけていたシャツを脱ぎ捨て、下も全部脱いだ。
翔くんが、ちょっと赤くなって横を向く。
手を伸ばして、サイドボードに、あらかじめ忍ばせてあった、潤滑油をとりだした。
いつか、使うであろう、いや、いつか使うはず、と、今日のこの瞬間のために購入しておいたものだ。
翔くんが、なんだ、それ、というような不思議そうな目で、見つめてる。
……そりゃ、そうだよね。
俺だって初めてだもん。
でも、翔くんは、マジで、予習はあんまりしてないみたい。
今、俺が手にしてるものが、今ここで出てきた意味が分からないようで。
「……オンナノコとは、体の造りがちがうから、愛しあうために、必要なんだよ?」
「……ふうん?」
すごいこと説明してるよな、と思いながら、くすっと笑い、右手の指に中身を出す。
……わ……ぬるぬる。
翔くんの、じーっと見る視線に苦笑いながら、その指をそっと翔くんの後ろにあてた。
そこで、翔くんは初めて気がついたみたいだ。
「……な……に…?」
「……じっとしててね……」
俺は、ぬるぬると蕾に指をはわせて、翔くんの反応をみながら、ゆっくり指を差し入れた。
「…っ…う……」
翔くんの漏らした苦しげな声に、中指の、ほんの第一関節で、動きをとめる。
「痛い?」
「…………ん……少し…っ…」
ゆっくり、指を抜いて、潤滑油をたらし、もう一度蕾をさぐりながら、押し入れる。
「……あ……」
それを繰り返して、少しずつ差し入れる量を増やし、中指一本全部埋めることができた。
「……分かる?指入ってんの」
少し動かしてみる。
「……やっ……」
翔くんの中は、燃えるように、熱い。
ぎゅうっと、すごく締め付けてきた。
俺は逸る心を沈めながら、一回指をぬき、今度は二本の指に、潤滑油をたらす。
「息、吐いて……?」
「……は……あ」
翔くんが、素直に従って吐息をもらす。
タイミングをはかりながら、ゆっくりゆっくり二本の指を埋め込んだ。
「どう?」
「……あ………なんか……変」
「痛い?」
「…………大丈夫……っ」
