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｢……こら、唇かむな｣

歯を食いしばって、痛みに耐えているのか、潤のここまで苦しそうな顔は、あまり見たことがない。

傷口が疼くのか、と心配になり、やはり……、と腰をひきかけたら、潤の両足が俺の腰をロックした。


｢やだ……やめたら……っ……やだ｣


｢……潤」


水分の多い目で、俺をじっと見上げるその口調は必死。
痛くても苦しくても……それでも俺を受け入れたい、と全力で訴えてくるのが分かるから。

……健気にもほどがある。


まいったな……。



痛みも、苦しみも、どのみち味わうならば……いっそのこと。


｢……ちょい我慢な｣


一瞬だけ迷ったけれど。

俺は、息を吸って。
腰に力をこめた。


｢んっ……んあああっ｣


埋めかけてた自分を、一息に押し込む。

最後の最後まで。奥の奥まで。
自分の全てを、潤と繋げた。


｢……あ……あ｣


小刻みに震える潤を頭から抱き込み、密着して。
耳元にキスを繰り返しながら、そのまま彼が落ち着くのを待つ。

俺の肩に爪をたて、全身を強ばらせていた潤は……やがて、体の力を抜いた。


｢…大丈夫か｣

｢……うん……｣


返事をうけて、少し体を離し、潤をみた。

涙に濡れてきらめく瞳は、真っ直ぐ俺を見つめていて。


｢翔……好き｣


ふわりと笑んだ顔が、最高に綺麗で思わず見とれてしまった。