キラキラ
第31章 イチオクノ愛
人の気配に、目が覚めた。
今度こそ……朝がきたのだろうか。
俺は息苦しいクッションの隙間から、用心深くそっと顔を出した。
すると、煌々とついた電気の下、前方にある机で眠そうな顔をしている人物が目に飛び込んできた。
……翔ちゃんだ!
ホッとして、そおっとクッションの隙間から這い上がった。
良かった……やっと身内に会えた。
カサ……と音をたてて新聞を読んでいる翔ちゃんの向かいには、これまたぼんやりとPCを眺める松潤がみえる。
へぇ……松潤、いつも遅いのに珍しいな。
とにかく、とりあえずなんとかしてなんかお腹に入れるものをもらおう。
腹ペコで死にそうだよ。
甘えたら、チョコくらいくれるよね?
そう考えた俺は、どのタイミングで、二人に俺に気がついてもらおうか考えていた。
すると、翔ちゃんが頬杖をついたまま、大きな欠伸をひとつして。
松潤が、くすっと笑って
「コーヒーいる?」
と、立ち上がった。
「あー……うん」
「ブラック?」
「いや、砂糖多めのオーレがいい」
「……甘すぎない?」
「……疲れてんだよ、誰かさんのせいで」
「……昨日は、そんなに無茶してないじゃん」
「はぁ?どの口がいう?あの体勢、めっちゃくちゃしんどいんだぞ」
「でも気持ち良かったでしょ?」
「………」
「しょーくん?」
「うるせぇな……さっさとコーヒーくれよ」
「はいはい」
松潤は、柔らかな笑みで、私物のコーヒーマシンに向かう。
翔ちゃんも、ほのかに赤い顔をしながら、俺の見間違いじゃないならば、幸せな笑みを浮かべていた。
……てゆーかさー……
俺は目がテンになってしまった。
二人っきりだと、この人たちこんななの?
俺が照れちゃうじゃん……。
甘すぎる……。