キラキラ
第31章 イチオクノ愛
「あれ、その子……」
松潤に抱っこされた俺をめざとくみつけたにのは、不思議そうな顔で、寄ってきた。
「知ってるの?」
松潤が、ん、と俺をにのに向けると、
「いや、昨日みつけた迷子。相葉さんとこの番組の子かなって思って、そっちに届けたはずなんだけど……また逃げてきたんだ?」
言って、にのは、松潤の手から俺を抱き上げた。
にのっ!会いたかった!!
俺は尻尾をブンブン振って喜びを表現した。
良かった……あいつと一緒に来たわけじゃないなら、昨夜はお泊まりじゃなかったんだね??
ホッとしながら、にのの優しい顔をみつめた。
元来、にのは犬好きだ。
昔、飼っていたこともあるから、こうやって触れていると、何か自分の中の犬好きな部分がくすぐられるのだろう。
俺を抱き締めて、あちこち触れては、俺といるときにしか見せないような無防備な笑顔を浮かべてる。
「すごくなついてるね」
翔ちゃんが、ほーっと目を丸くした。
「そーかな」
と、苦笑するにのが、顔を近づけてくるから。
俺は、昨日のお返し、とばかりにチュッとキスをした。
やめろよ、と、ケラケラ笑うにのが可愛い!
そこへ、
「おっはよー」
と、声も爽やかに、もう一人の俺が入ってきた。
でたな、偽物。
「あれ?そいつ……」
偽相葉が、きょとんと俺とにのをかわるがわる見つめた。
俺は、思いっきり不審な顔をして偽相葉を睨んだ。
こいつは……俺の家に帰ったんだよな?
着てる服、俺のだもんな……。
っていうか……ほんと、誰だよ、おまえ。
子犬が胡散臭い目をしたら、きっとこんな目だろう、という、目つきで、俺はじーっと偽相葉を見つめた。
「あ、相葉さん、おはよー。見て。こいつ、また、迷子になってんの」
「へぇ……」