キラキラ
第31章 イチオクノ愛
思わず、足をとめてしまった。
今の……リーダーの声!?
待って待って。
ちょっと待って。
リーダー……なにしてるの?
松兄……って?
いや……俺の考えすぎかも。
泣ける映画を観てるのかも。
それか、……具合が悪いのかも。
それか……エロビデオ見て、処理中なのかも。
そう……だよね?
よせばいいのに、好奇心と、真実を知りたいという言い知れぬ欲求に後押しされて、俺はさらに、歩みをすすめた。
リーダーが処理中なら、すぐ目を瞑って、見なかったことにしてすぐもっかい寝る。
でも、松兄って呼んだのは……?どうして?
俺は、松兄んちの大きなソファーの影から、そっと顔を出した。
…………!!!
すると、目にとびこんできたのは、ソファーの背もたれに深く座り、足を開いてる松兄に跨がって、腰をゆるやかに動かしてる裸体のリーダーであった。
ええええっ!?
なにしてんの?!
てか、二人ってそーゆー関係なの?!
……俺、犬じゃなかったら、絶対声をあげてた!
さっきまでリーダーが着ていた部屋着は、俺の目の前に団子になって落ちていて。
松兄は、風呂上がりなのか、バスローブを羽織ってるけど、前は全開。
ばっちり繋がってる二人は、快楽だけを追って愛し合ってる真っ最中だ。
「んっ……あん……そこっ」
「いいんだろ?」
「うん……あっ」
「……智。膝たててみ」
「…………ああっ……深いっ……ぁ」
…………。
いや、俺も、にのとやることはやってるけど。
人のしてるとこなんて見たことねーし……。
コク……と生唾をのんだ。
いやらしい音をさせながら、恍惚な表情で、腰を動かすリーダーは、綺麗だ。
そして、それにあわせて腰をつきあげる松兄の目も、愛しさにあふれてる。
いや、でもちょっと……。
鼻血でそう……。
つか、出したい……なんかムラムラするぞ……。
俺の鼻息が聞こえたのか、松兄が、ふっと視線を俺におとした。
そして、ニヤリと笑んだ。
「智……あの犬が見てる」
「え……んんっっ……あんっ……」
「見せつけてやろーぜ?」
「あたる……ああっ……松兄……」
グチュグチュと聞こえる結合した卑猥な音と、リーダーの嬌声に煽られ、俺は犬のくせにコーフンしてきた。