泣き虫ルームメイト AM & 遠回りのルームメイト SN
第84章 遠回りのルームメイト28 翔
「貸して」
ニノが俺の指先を両手で包みこんで 唇を付けるようにして 息を吹きかけてくれる
「全然あったまらないな」
「そんなことないよ、感覚戻ってきた、ありがと」
「あの・・・俺の背中に入れてもいいけど・・・」
「え?」
「だから・・・パーカーとTシャツの間に手を入れたら 少しは温かいかな、と思うんだけど・・・」
「えーと・・・それはこういう事・・・?」
立ち上がり、ニノを腕の中に抱きながら、手をパーカーの裾から忍ばせる
「はー、温かい・・・」
「う・・・冷たい、ぞくっと来る」
「あ、マジ?ごめん」