STORIES
第2章 Warp A×N
違和感はあったんだ。
今どきCD一枚っていうのも変だし。
ご飯も食べてくれた。
もしかしたら…って。
「あの…俺ー…」
「和也。」
和也の言葉を遮って、声をかぶせた。
体をびくっとさせた和也の瞳が
大きく揺らぐ。
腕をぐんっと引っ張って、
和也を自分の腕の中へと引っ張り込んだ。
懐かしい匂いがした。
体中を駆け巡っていく、
この香り、暖かさ、鼓動。
「俺も謝らなくちゃいけないから…。
あの時、ちゃんと言えばよかった。
追いかければよかった。」
お互いへの感謝の気持ちを忘れて、
俺たちは一度離れ離れになった。
それでもやり直せるのなら。
あの時言えなかった答え。
和也がその言葉を望むなら、
あの時の答えを今、ちゃんと言うから。
「和也のことを、嫌いになったこと
なんて一度もない。
ずっと一緒にいてほしいって
思ってた。
今も…その気持ちは変わらないから。
だから…。」
ここまで来て、体中が震える。
声も震える。
深呼吸をひとつ。
「好きです。付き合ってください。」
人生で二回目の告白。
3年前と、そして今日と。
俺の震えた手に、そっと重ねられた手。
「はい…。」
返ってきた返事は、俺が3年間、
ずっと求め続けてきたもの。