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第3章 あいわな A×N
「「いただきます!」」
口いっぱいにご飯を頬張って、
生姜焼きを口へ運ぶ。
鼻に抜けるいい匂いに
また自然と橋が伸びていく。
「ねぇねぇ、美味しい?美味しいよね?」
「もー、何なんだよー。」
「ね!美味しいでしょ?」
「ん…、うまい。」
やったぁ!って、口をもぐもぐさせながら
喜んでいる。
…わかってないよな、きっと。
そういうところに俺がきゅんとしてること。
「やっぱ俺って天才だよね!」
「バカだよ、あいばか。」
「ひっどい!」
相葉さんといれば、いつだって
心が暖かくなる。
こんな人だから、きっと好きになったんだ。
「ニノに食べてもらうとさ、
なんか嬉しいんだよねー。」
さらっと、俺も嬉しくなる言葉を言う。
こういうところがあるんだよ。
「じゃあこれからもずっと、
食べに来てやる。」
「ほんとに?
嬉しい。」
持つべきものはニノだね、なんて言って。
それを言うなら友だろって俺が言って。
キラキラした笑顔を見るのは好きだ。
だけど、相葉さんが俺に
あんな笑顔を向けてくれるのは
『友達』だから。
それ以上は望んじゃいけない。