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第4章 可愛いアイツと N×A
よほど恥ずかしかったらしく、
タオルケットに顔を埋めて出てきてくれない。
「ねぇ、雅紀。」
「…嫌だ。」
「相葉さん?」
「だって恥ずかしい…。」
「まーくん?」
何年ぶりに呼んだか分からない呼び方で
呼んでみた。
恥ずかしいのは承知の上。
すると、やっぱりすぐに反応して
「ね、もう1回!
和くん、もう1回言って!?」
またキラキラした笑顔を見せる。
俺の顔が赤くなる。
何だよ、さっきは雅紀の方が
顔を真っ赤にしてたのに。
結局俺が振り回されてるんだ。
「まーくん…。」
「ふふ、和くん。」
付き合ったばかりの頃の呼び方。
なんだか気恥ずかしくて、
ぱっと目をそらすと
「あ、ダメ。」って、
頬を両手で掴まれてぐいっと戻される。
「首、痛かった。」
照れ隠しに、ぶっきら棒に言えば
「あ、うそ、ごめんね! 」
首筋にひとつ、キスを落とす。
不覚にも、びくっと体は反応する。
「ふふ、和くん可愛い。」
その呼び名で呼ばれて、
付き合った頃と変わらない真っ直ぐな瞳で
見つめられて。
心臓がいつになく大きく跳ねた。
出逢ったあの日と、同じときめきだった。
「…バカ。」
「へ、わっ、ちょっと!?」
「もう煩いなぁ…。
俺のだけ見て、俺に夢中になって。
俺だけ感じろよ。」
生まれたままの姿で、
何度も何度も愛し合った。