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第8章 Happy Birthday AN×O
もう飲んじゃダメだよって雅紀は止めるけど、
誕生日だからいいじゃんと強引に飲む俺。
酒にあまり強くない和也も俺と同じくらい
酔っ払ってる。
「ねぇー。」
「ん?」
「俺がこんなオジサンになってもさ、
お前ら愛してくれるのぉ?」
もう何杯目かのグラスの酒を飲み干しながら
雅紀と和也の方を見てみる。
「ふふ。それ、あの歌みたいだね。」
「あれはオバサンだろ?
俺はオジサンだぞ…。
こんな俺、嫌い…?」
酔ってるせいにして、もう今日は
素直になっちゃおうかな…なんて。
そう思って口に出したのに、
涙が出てきた。
「え、あわわっ。泣かなくていいから。」
「あー!雅紀が泣かせたー!」
酔っ払ってる和也はいつもよりも
テンションが高めで、やたらと絡む。
片方は泣いて、片方は面倒くさい酔っ払い。
そんな俺たちを相手にして慌てる雅紀が
可愛くて、今度は笑いがこみ上げてきた。
腹が痛くて、また涙が出てきた。
そんな俺を見て、次は和也も笑い出した。
そんな俺たちを見て、雅紀はさっきよりも
困った顔をしていた。
笑ったら、次は睡魔に襲われて。
ラグの上に雅紀を押し倒して、
和也も押し倒した。