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第11章 恋は戦場 S vs N × A





「じゃ、お疲れ様。」
「お疲れ様です!」
「「かんぱーい!」」


グラスのぶつかる心地よい音が響く。

いつもは大衆居酒屋みたいなとこで
飲むのが多いけど、今日は個室の
居酒屋にした。


あ、いや別に変な意味がある訳じゃなくて。

ただここならゆっくり話が出来ると
思っただけで…。


「櫻井さん?」
「あ…。すまん。」
「いえ。お疲れですか?」


ここ最近は、少し立て込んでましたよね、って
首を傾げて聞いてくる。


…やばいなぁ、これ。


サシで飲むって決めたのは俺だけど、
こんなに理性との闘いになるとは
思ってなかった。

この前もこんな感じだったんだろうけど、
あの時は二宮の様子を伺うのに必死だった
からだろうか。


「さーくらーいさーん。

大事なお話って、何だったんですか?」
「大事な…、ああ、そうか。

次のプロジェクト、
俺と組んでくれないか。」
「…へ?」


仕事の話を持ってくるとは
思っていなかったのか、拍子抜けしてる。


「部長から頼まれたプロジェクトがあって。

それを俺と一緒にやって欲しいんだ。」
「お、俺ですか!?」


やっと状況が分かったのか、相葉は
急に慌てだした。


「大事な取引先との共同プロジェクト。」
「そんな大事な仕事、俺よりも
ニノの方がー…」

「決まった事だから。

よろしく頼むな。」
「…はい。」


立場を使うのはずるいって分かってる。


でも。

それでも俺は、相葉との時間が欲しい。

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