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第11章 恋は戦場 S vs N × A





「すいません。」
「気にすんな。」


タクシーに2人、帰宅ラッシュの
渋滞の中を漂っている。


「かなり具合が悪そうだな。
いつからだ。」
「一昨日の夜から…。」
「は!?一昨日!?
何でもっと早く言わねーんだよ!」
「言うって、誰に言うんですか…。

直属の上司も、親しい同僚も
出払ってるのに。」
「あ…。
ごめん。」
「いえ。」


また、車内には沈黙が戻る。

何か切り出した方がいいのか、
必死に頭を働かせていた時、

「俺、告白しました。」

切り出したのは、二宮の方だった。


「え?」


そんな声を出してはみたけど、
気が付いていた。

二宮と相葉の距離感から、それは
少し考えればすぐに分かる事だった。


「振られてはいません。

でも、いい返事も貰えてません。」
「…。」
「保留です。
初めは焦り過ぎたのかなって、
そう思ってました。

でも、すぐに櫻井さんの事が
頭によぎりました。
もしかしたら…って。

そしたら、その直後に2人が一緒に
大きなプロジェクトを始めたから…。」


だんだんと、声が小さくなってきてる。

それでも必死に言葉を紡ぐ姿は、
やっぱり可愛い…



ん?やっぱり?

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