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sugar-holic2

第11章 約束を叶えるために

「…で、何処に行くんだよ」

旅館を出て、不満げに腕組みをした倉田くんに笑いかけた。

「まぁまぁ、付いてきてよ」

倉田くんを先導して歩き出す。

煉瓦が敷き詰められた歩道を下駄で歩くから、カラコロと小気味いい足音が鳴った。

ちらっと倉田くんを見れば、襟元が気になるのか、盛んに袷を指で探っていて…

可愛い。

浴衣、着慣れてないんだ。

せっかく温泉街を歩くんだから、倉田くんにも旅館の浴衣を着せてみたんだ。

並んで歩いてると、コスプレみたいで何だか笑えちゃう。

「何笑ってんの?」

「ん?」

あ、顔に出てた?

頬に手を当てると、倉田くんが口を曲げて笑いを浮かべた。

「俺、こういうの似合わないだろ」

「え!?そうでもないけど!?」

「…そうかな」

納得できないみたいに、自分の浴衣を見て苦い顔をしている。

こういうのを気にしてる倉田くんが何だか新鮮。

そんな事を思えるのも、旅行してるからなのかな?

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