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sugar-holic2

第14章 違う声が聞こえる

湯槽の片隅で、両腕を抱き締めながら、肩までお湯に浸かった。

風が湯けむりを揺らし、私の頬を撫でる。

少しばかり火照った肌に、冷たい風が心地いい。

…それはいいんだけど…。

肩越しに視線を送れば、倉田くんの姿が目に入り…急いで元に戻した。

倉田くんと同じお風呂に入ってる。

普段ならあり得ない状況。

倉田くんにいいように操られて流されて…何でこうなっちゃうんだろう?

「なぁ、いつまでそっち向いてんの?」

あきれたような口調で倉田くんが聞いてくるから、体を堅くして答えた。

「え…景色!!きれいだから!!」

「景色って…その体勢で外見えるの?」

確かに。

私の目の前には竹を編んだ格子が立て掛けられている。

肩まで湯槽に浸かってるから、格子のせいで景色なんてほぼ見えない。

「見えるよ!!山とか、空とか」

何でそんな細かいところを突いてくるかな!?

分かってるなら見逃してよ!!

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