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sugar-holic2

第14章 違う声が聞こえる

倉田くんの手の感触に、肩が揺れた。

「…やだ」

「今さら恥ずかしがるなよ」

そうだよ?今さらだよ!?

そんな事は分かってるけど!!

それでも動けないでいると

「ふーん。そう」

「倉田くん…?」

肩に置かれた手が離れた。

「こんなお膳立てまでして、誘ってるふりして逃げるのかよ」

倉田くんの手の温もりの代わりに、ヒヤリとした風が肩に染み込んでいく。

でも、そんな物理的なものより、倉田くんの声の方が冷たかった。

「いつになったら信用してもらえんの?」

え…?

「アンタにとって、俺は何?」

何って…そんなの…

「彼氏…」

震える唇でそれを言葉にする。

ただの同僚や、部下なんかじゃなくて。

彼だと思ってるから、体も許してるし、こんな風に一緒に過ごしてるんだけど…?

だけど…倉田くんは…?

「…だと思ってもいいの…?」

倉田くんにとって、セフレと彼女の違いって何?

私だけの思い込みなんじゃないの…?

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