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sugar-holic2

第14章 違う声が聞こえる

…変な声、聞かれなかったみたいで良かった…。

安堵の息をつくと、倉田くんもため息をついた。

「はぁ…興ざめ」

え!?

前髪をかきあげると、ザバザバと音をたてて湯槽から出ていった。

「もう上がるの?」

私の問いかけにニヤリと笑うと

「物足りない?」

「そ…んな事…っ!!」

からかわれてるって分かってるけど、それでも顔が赤くなるのは隠せない。

「ご希望に添えなくて残念だけど」

顔を強張らせた私に、ふふんと笑いを残すと

「いくら何でも、子供に聞かれてると思うと萎える」

そう言い残すと、扉を抜けて部屋に戻っていった。

一人残された私は…

「そんなの…私だってそうだよ…」

そう呟いて、口までお風呂に沈みこんだ。


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