テキストサイズ

sugar-holic2

第15章 聞き酒

部屋に戻ると、テーブルの上に、布を被せた丸盆が置かれていた。

あ、これだな。

布を持ち上げると、300mlの瓶に入った日本酒が4本と、お猪口が二つ置いてある。

緑色の瓶には、ラベルのかわりに札が掛けられていて、それぞれに①から④の番号が振られていた。

「えーと、それぞれ違う銘柄の日本酒が入ってます。回答用紙に記入してフロントにお持ちください。全問正解者には景品があります、だって」

丸盆に入っていた紙を読み上げると、倉田くんが

「それが、わざわざ頼んだやつ?」

少し呆れたように聞いてきた。

「どうせ飲むでしょ?だったら少しでも楽しくしたいじゃない」

「楽しく、ね」

そう言って肩をすくめた。

「違う銘柄って何です?」

「えーと…地元の蔵元で出してる本醸造と純米酒、純米吟醸、大吟醸だって」

「それ、外す方が難しいんじゃない?」

私の説明にくくっと笑いを浮かべてる。

「言うねぇ。じゃあ倉田くんにパーフェクト賞狙ってもらおう」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ