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sugar-holic2

第16章 酒の力を借りなくても

お猪口を口に運び、唇を湿らせて

「色々言いたいことと聞きたいことがあるんだよね」

もう、格好悪いとか恥ずかしいとか言ってる時は過ぎてしまった気がする。

覚悟を決めて、真っ直ぐ倉田くんを見ると、

「何か、怖い展開」

そう言って肩をすくめて見せた。

そうだね。怖い展開かも。

「さっきの話を蒸し返すようだけど…」

倉田くんに注ぎ、自分にも手酌する。

少しはお酒の力を借りたい。

自分の思ってることの100%を言葉にして伝えるなんて無理だろうけど、普段蓋をしてる気持ちもお酒の力で開きそうな気がする。

「私、倉田くんと付き合ってるんだと思ってる」

お猪口を口元に運んでいた、倉田くんの手が止まった。

「だけど…前に言ったじゃない?彼女を作る気はないって」

あれは岐阜に来てから、まだそんなに経っていない頃の話。

倉田くんも思い出したのか、

「ずいぶん前の話を引き出してきましたね」

そう言って、苦笑いを浮かべた。

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