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sugar-holic2

第17章 借りは返す主義だから

やっと素直に気持ちを告げられた。

言えたことでほっとして…でも、少しだけ気恥ずかしい。

倉田くん…友紀の様子を窺うと

…ん?

何で無反応?

「どうしたの?」

訊ねれば、眉をあげて

「いや…うん、そうだな」

そうだなって…何?その反応。

せっかく素直に言ったのに、そんな返しをされると思ってなくて、何だか寂しくなる。

と。

「え…ちょっと!?」

体を持ち上げるように抱き締められて、背伸びしていた足が浮き上がる。

指先がギリギリ床についているくらいの状態になり、驚きの声をあげると

「今かよ」

耳元で呟かれた。

「何?」

「ん…何だろうな」

そう言いながら、抱き締める力を強くするから、バランスを崩しかけてしまった。

短く叫ぶと、友紀の首に腕を回し、肩に顔を埋める。

何?何だって言うの?

目を瞬かせて様子を窺うと

「クソむかつく」

ため息と共に、そんな言葉が聞こえた。

はい!?

聞き間違えたかと自分の耳を疑ってしまうと、友紀が動いて…あ、足が着いた。

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