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sugar-holic2

第17章 借りは返す主義だから

足が着いてほっとしていると、即座にふわりと持ち上げられた。

両足を抱えて…いわゆる、お姫さま抱っこ。

「何?え!?」

驚いて友紀を見れば

「認めたくないんだけど」

私を見る、その顔が。

むかつくとか言ってた筈なのに、全然そんな色が見えない。

「何が!?」

聞き返せば、目を細めて…

いつもの、人を小馬鹿にしてるような表情。

それから、あーあとため息をこぼすと

「アンタには敵わないのかもな」

そう言って、力の抜けた笑いを浮かべた。

友紀らしくない笑み。

だけどその笑顔に、不覚にもときめいてしまった。

「ん?」

「え…あ……何でも」

ない、と言いかけると、友紀が歩き出した。

「え…えぇっ!?」

落ちそうな揺れに、慌てて友紀の首にすがり付いた。

すると、友紀の吐息を感じて…

あれ?笑ってる…?

「あ、あの!」

「ん?」

「どこ行くの…?」

方向的に大体の予想は付くんだけど。

だけど…むかつく、から、そっちって…あり!?

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