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sugar-holic2

第9章 時間を忘れて…

フロントでチェックインして通された部屋は、和洋室の造りになっていた。

フローリングの洋間に低めの高さのベッドが置いてあって、寛ぐ部屋は和室…と言った感じ。

「すごい。綺麗。いい部屋じゃない?」

振り返って倉田くんを見れば…あれ?

部屋をぐるりと見回してるけど…あんまり笑顔じゃない。

「気に入らない?」

咎めるつもりじゃないのに、責めるような言い方をしてしまった。

「いや…そんな事はないけど」

倉田くんは肩をすくめて、クローゼットの前に荷物を下ろした。

「無事旅館に着いて、これからどうすんの?」

来た。

「ん~」

少し悩むフリをしてみせる。

一応、それが目的な訳だから…。

気付かれないように、上手く誘えたらいいんだけど。

「運転疲れたから、ちょっと休みたい」

照れ笑いを浮かべて倉田くんを見ると、ため息をつかれた。

「だから代わるって言ったのに」

だって…それも作戦の一つなんだもん!!

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