
言いなりなんてっ
第1章 交渉
「そんなの、絶対だめ!!!」
成瀬の言葉に、大きく首を横に振る。
「なら、ヤらせてよ。どのみち先輩には二択しかないんだから……」
ニッコリ笑う成瀬。
「……や、やるのは無理だよ」
わたしは小さな声を出した。
「はぁ…何をそんな躊躇ってるんですか?
大学生活パーになるよりマシでしょ、
処女じゃあるまいし……」
面倒くさそうなため息をつく成瀬。
わたしは意を決して口を開いた。
「……なの、」
消えそうなくらい小さな声。
「え?」
案の定聞き返された。
「わたし、処女なのっ!!」
大声で言った。
やけくそ、みたいな。
