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ビタミン剤

第7章 人魚のナミダ




目覚めたらまだあたりは薄暗くて
カーテンから差し込む日差しも
まだなくて

翔さんの腕の中
あたたかでとても居心地いい場所。
もう一度、
ちゃんと言わなきゃ。


翔さん、あなたに伝えたい
翔さんが好きだ。

翔さん以外の他の誰かなんて
絶対に考えられない。


でも今はまだ
このぬくもりに包まれてたいから


「ん……ン…、潤…おいで。」



潤さんの寝言
夢の中で俺を呼んでくれてる。
くすぐったいような幸福な気持ちで
いっぱいにしてくれてる人。









朝の朝食の支度は
俺が準備して、コーヒーを
淹れてくれるのは翔さん。


「翔さんたまごは一つ、二つ?」


「二つがいいな。
あ、半熟でお願いしまーす。」



久しぶりの翔さんと2人の朝食。

くすぐったいくらいうれしくて、
めちゃくちゃ美味しそうに
食べてくれて、三杯もおかわりしてくれた。

目の前に翔さんがいてる。
俺のウィンナーまで物干しげに見て
くるから箸でつまんで
どうぞっていうと満面の笑みで
ぱくりと食べてしまった。


ひとりぼっちじゃない朝

こんなにも温かい1日の始まりを
また翔さんと2人で迎えることができた。




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