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ビタミン剤

第7章 人魚のナミダ



「…俺…俺……ごめんなさ…ぃ」


「潤がどんどん乱れた生活なるし
心配ではらはらしてたよ。
だから、つい、いろいろ余計な事
とか言ったりやったりしてたんだ。」


「ああ、もうっ!
なんで俺、今更格好つけようと
してるかな。」


頭髪をがしがし掻きみだす翔さん。

咳払いして落ち着いたのか、
真剣な顔つきの翔さんがいる。

「はっきり言うよ。
俺は潤のこと、未練たっぷりで
隙あらば仲直りして、より戻したいって
ずっとずっと思ってた。
だから、潤のマンションにも
何度も行ってみたりしたし。」

翔さんの顔が情けないって表情を
する、そんな顔をさせてるのは俺。
頬まで赤らめて口に出してくれる
翔さんの本音。

「けど、潤に部屋の鍵開けて
もらえなかったらマジで俺、2度と
立ち直れねぇって思ったりしてた。」


「翔さんほんとに?
ほんとに来てくれてたの?」

「マジでホントにホント。
潤と会う時なんて顔引きつるわ
手汗とか、脇汗の量はんぱないして
必死で演技してたんだからさ。
こんな情け無い俺だから
もう少し考えてみてよ。」


悩んで苦しんだ
悲しくてせつなくて
翔さんも俺と同じ気持ちだったんだ。


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