
ビタミン剤
第7章 人魚のナミダ
潤はもっともっと周りを見る
権利あるんだよ、翔さんがそう
言ってくれる。
俺が18歳の時から
翔さんに告白されてずっと付き合ってきた。
翔さんの言う通り他の誰かとの恋愛とか
全く知らない。
翔さんよりも俺にふさわしい相手?
一緒にいて翔さんよりも
しあわせを感じれる他の誰かが?
もっもよそ見して、周りを見てみな
潤にふさわしい相手が
ぴったりの相手がいるかもしれない。
翔さんの優しくて残酷な台詞。
「そんなの、絶対やだ。
俺には翔さんしかいない
俺には翔さんだけだから!」
「泣かないでよ、潤。
いじわるじゃないし、イジメてるん
んじゃあないからね。」
「翔さんの他なんてどこにもいない!
翔さん以外の誰かなんて好きになれない。」
「ありがと、潤。
俺も潤しかいないし、
潤だけしかいらないよ。
これから先もずっとね。
だから潤にもじっくり考えてほしい。
返事はね、俺の来年の誕生日に
してもらえないかな?」
翔さんの言葉は
まるで俺に人生の岐路に立ってと
言ってるみたいだ。
「俺はさ、欲張りだから潤の過去も
今も、未来もぜんぶほしいって思ってる。
潤、愛してる。
俺の生涯の伴侶になって
ずっと俺の隣で笑っててほしい。」
