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ビタミン剤

第7章 人魚のナミダ



ずるいよ翔さん

こんなのまるでプロポーズじゃないか。
いますぐ返事したいのになのに
誕生日まで考えてみてなんて
まだまだ先じゃないか。


「…翔さん…俺…。」


「ゆっくりじっくり考えてみて、潤。
櫻井翔が、
松本潤に本当にふさわしい男かどうかをね。」



なんだよそれ。
せっかく翔さんと仲直りできて
本当の自分の気持ちに気付けたのに
また離れてなきゃいけないなんて。


「俺そんなのやだよ。
翔さんと…離れるなんてやだ。
また病気になってやる。」


「じゃあこっちは先に渡しとくね。」


翔さんの部屋の合鍵。

俺の手のひらにのせてくれてから
かたく握らせてくれて
その手にチュッとキスしてくれる。


翔さんの満面の笑顔。
潤ならいつでも大歓迎だからって
抱きしめてくれて、

マジではやく一緒に暮らしてぇとか
大きな声で言ってくれる。
さっきまで格好つけてた
翔さんだったけど、肩の力を抜いた
ようにいつもの口調で熱っぽい語り
で俺たちの未来を語りだす。

海外で結婚式をあげよう
世界一周のハネムーンに出かけよう
世界中に潤にも見せたい風景が
たくさんあるからって。

でもね、翔さん
俺は貴方の隣で居たらどこにいたって
最高の眺めになるんだ。




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