
ビタミン剤
第7章 人魚のナミダ
「あ、そうだ。結婚式したらもう
俺ら新婚さんだよね。
やっぱりかわいい嫁さんの潤には
白いフリルの裸エプロン姿とか
リクエストしたいな。」
「なんだよ、そんなのやんないよ。
それよりもまず、部屋の片付けしなきゃ
でしょ、翔さん。」
「…ゔゔ、一緒に片付けしてください。」
無造作に部屋のあちこちで山積みに
なってる雑誌類をまとめながら
2人で馬鹿みたいに笑い合って
翔さんはさっきよりも、もっと
くだらない妄想話をしてくる。
万が一さ、
潤と俺に子どもができちゃったり
したら、顔立ちすっげえ整ってて
めちゃめちゃかわいいだろうね。
そんでもって名前はユウ!だよな。
俺ら3人揃ったら
ジュン、ユウ、ショウ
なんか、めっちゃ良くない?!
なんで準優勝だよ、
そこは優勝だろ!ってか、
違うから。
俺らには、産まれないでしょうがっ
なあんて馬鹿な会話。
おとぎ話しにもならないや
人魚姫の王子様は他の違う
お姫様を選んで結ばれた
真実を伝えることができなかった
人魚姫は光の泡になったんだ
俺の声を取り戻してくれた
王子様はかなりのスケベで
クセのある性癖の持ち主だけど
俺を選んでくれた
ずっと俺だけを見ててくれてた。
俺は光の泡なんかにはならないよ
俺らは
王子様2人できらきら輝いてやる。
