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ビタミン剤

第13章 ぼくのペット

Sside

シャツを脱いだ俺の素肌を眼にした時、
潤の潤んだ瞳が一瞬期待に膨らんで、直ぐに嫉妬の炎で目を細めてるのが見えたのは
わかってたけど、
敢えて気づかないふりをして風呂場へ向かった。



マジで素直で可愛いし色っぽいよ。




風呂上がりトランクスのままでリビングへ戻ると、潤がさっきと同じところでワンコロと一緒に眠り込んでいた。


「じゅーん、ちゃんと、ベットで寝なきゃ」


「…ん…やだ…よぉ…」


ワンコロを両手で抱きしめながら手にした俺の
シャツに顔をうずめて、今にも睡魔に負けて
しまいそうになってる潤。


そっとブランケットをかけててやって缶ビール片手にソファに腰を下ろす
タブレットでスケジュールの確認しながら明日の
収録に必要な情報を整理して内容を把握しておく。


もちろんメンバーそれぞれのスケジュールも
ざっと把握しておいて、潤のことに関しては
細部までマネージャーにメールで送らせてる。


明日の午前から俺は収録で潤は午後からのニノと
撮影と音入れ。

すれ違いにはなるけど、ワンコロの世話は
朝晩どっちかが居てるからまあ、大丈夫だろう。


先に帰って来れるのは俺のほうだから
なにか潤の好きな総菜でも買って夕飯の支度を
しとくのもありかもな


声をかけてみても返事はなくて、
本格的に眠り込んでしまった潤をベッドまで連れて行くことにする。先にワンコロをゲージの中のベッドへと置いてやって、
潤を抱き上げようとすると
俺の脱ぎ捨てたシャツをきつく握りしめながら
眠ってる潤のその頬には涙の跡が見られた。


いいねぇ、初日にしては上出来かな


せめて夢の中では潤が笑えるように
そっと頬にキスしてベッドへと連れていってやる。



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