
ビタミン剤
第4章 こんなの、はじめて
翔ちゃん曰くは
そこが可愛いらしいって言って
くれるんだけど、
うっかりすると
腰砕け状態で立てないくらいに
なるから自宅以外では
やめてねってお願いしてる
めちゃくちゃ情熱的なやつ。
歯茎にそって翔ちゃんの舌先が
動いてくる。
更に奥におとなしく潜んでる
俺の舌をとらえようとする
翔ちゃんの巧みな舌の動き。
そりゃあ
腕力では断然有利なのは
俺なんだけど、
好きな人から受ける
きらいじゃない行為だもん。
翔ちゃんの舌ですっかり
溶けきったアイスが
俺の口の中に転がしてくる。
あまくて熱くてすこしだけ
冷たくて。
翔ちゃんの舌はまるで意思を持つ
単体生物みたいに俺の口の中を
動き回っている。
2人で食べようって
翔ちゃんが言ってた意味が
ようやく理解できた。
アイスはすっかり溶けて無くなっ
たのに、俺の唇には翔ちゃんが
くっ付いてるまま。
どこもかしこも翔ちゃんに
溶かされて全身の力が抜けて
翔ちゃんにへばりついてるみたい
な感覚。
「ん、ぁ…翔…ちゃ…ぁん。」
「アイスより雅紀のほうが
断然甘いや…雅紀のくちびる美味し。」
「…ん、ぁら…め…ゃあ。」
「ほい、雅紀。
じゃんけんするよ、せーの。」
なんなの?
いきなりのキスを喰らって
酸欠で頭くらくらしちゃってるのに
じゃんけん??
意味がわかんないよ。
とりあえず
チョキを出したら翔ちゃんが
勝ったんだけど。
今のキスの熱が一気に下半身に
集まっちゃって。
翔ちゃんにバレない様に窓の方を
向いとく。
ガチャリ
集中ロックのかかる音。
「翔ちゃん、どしたの?」
「雅紀がじゃんけんに負けたから
ここでお仕置きタイムが始まり
まーす。」
「え?なにそれ?
おし、おきって?」
