
ビタミン剤
第16章 千夜一夜物語
今日も一日のノルマが終わった。
あと、何日だったっけ?
すこし身体がだるいや
シャワー浴びてゆっくり水風呂にでも浸かりたいな。
エレベーターを降りたフロア
すこし足元がふらふらしてる気がして、頭の中までぼんやりとしてきたかも。
そしたら目の前によく見慣れただいすきなあの顔
ヤバい熱中症かも、
まぼろしが見えだすとか重症じゃん。
それとも、逢いたい逢いたい
忘れられない、忘れたくないって
そんなことばっかり考えてたから?
これは俺自身の願望が見せてる夢なのかな
にしては、やけに力強い幻
雅紀っ!
すっごく翔ちゃんの声だけど
普段は俺の下の名前を呼んだりはしないから
やっぱりまぼろしなんだよね。
なんでもいいや
逢いたい人が目の前にいるんだもん
すこしくらい抱きついたってもいいよね
「夢でもいいや、翔ちゃん大好き…」
しっかりしろよ、相葉雅紀
早く部屋の鍵開けてくれよ
あれ、あったかい?………ウソだぁ
なんで…翔ちゃんが?
……ここにいるの?
