
ビタミン剤
第4章 こんなの、はじめて
翔ちゃんからの
連絡にいっつも浮かれたり
へこんだりだった。
告白されて付き合ってたけど
なんとなく片想い的みたいな
俺は恋人としての、
自信がずっと持てなかったんだ。
「ぁうっ、んあっ、ひぁぁん。」
翔ちゃんの指がトランクスの
隙間から入り込んでくる。
誇張して起立するソレの形を
直になぞってくる。
翔ちゃんのキツい口調の告白が
うれしくて。
ダメだって
思ってるのに身体がどんどん
反応してきてる。
大きな声が出そうで両手で
自分の口を塞ぐしかできない。
「ほら、
やっぱり黙り込むってことは
俺なんか、
雅紀は好きじゃないってこと
なんだよね。
だから、誰にでも簡単に明け透け
に見せたりできるんだね。」
「違っ!違うよ。
翔ちゃんのこと好きだ。
…ぁ、大好き…だよ
違うから
ぁ、やめ…指動かしちゃ
お願い、翔ちゃん…
ちゃん、と説明、さ、せて。」
「ちゃんと言えるの。
俺が納得できる説明だよ?」
「ぁ、…ぅ…はぁ
言える…ちゃんと、言うからっ。」
翔ちゃんの指の動きが止まって、
ぎゅっと握られたままで、
言い訳することなった。
「打ち合わせで
櫻井さんの冠の番組だから
張り切ってくださいって
言われたよ。
スタッフさんもグイグイ
喰い気味でくるし、
俺ガンバらなきゃって思ったの。
けど、VTRあんな仕上がりに
なってるなんて思ってなくて。
翔ちゃんの番組のゲストとして
初めて出るし
スタッフさんにも嫌われたくない
って思ってたから。」
「ふーん。
だからNG無しで体当たりロケを
頑張ってくれたんだ。
雅紀なりに考えてくれてたんだね。
けど、納得はできないかな。
んでさぁ、
あと実は1番ムカついたのは
風間と居るとき雅紀。
居眠りしてたよね?
後輩の風間にさ、
あんな無防備のかわいい寝顔
見せるくらい
気を許してるんだって考えたら
ムカつき度マックスだし。」
