
ビタミン剤
第25章 a mole tunnel
潤の代わりでもいいから抱いてくれと
切々とうったえてきたのはジュニア時代から
かわいがってた後輩。
いじらしいほど必死な形相には
憂いと色気、恥じらいとあきらめ
様々な想いを綯い交ぜさせていた。
こいつが俺のことを好きなんだろうなって事は
言われなくても以前から態度に現れてたけど、
潤のようにあからさまに行為を伝えてきたり
戯れ合ってきたり、
無邪気に好きだ好きだとかは
言っては来なかったからあえて静観してた。
嵐が誕生した時、
その中に入れずに辞めようとしたヤツらは
けっこう大勢いた
そんなヤツらの中の一人がこいつだった。
ジャニーズを辞めようと思ってるって
ひそかに相談を持ちかけられた時
大学受験を勧めたのも俺。
集団での活動に限界を見いだしたときも、
俳優として役者の道を切り開くことを
アドバイスした。
いつも大切な岐路に差し掛かると
決まって密かに俺に連絡を寄越してきてた
消え入りそうななきそうな声で
ふるえながら
…翔くん…翔くんっ…
生田斗真
こいつは俺の中に潜んでいる
残虐性、加虐性を煽るかわいい存在
