
ビタミン剤
第29章 ルール ver.2
Sside あひる
浴室の扉を遠慮気味にノックする音
そっと覗いてきた
3人がかわいい贈り物を届けてくれる。
5匹のあひるさん達
お湯に浮かんで仲良くちゃぷちゃぷしてる。
「これって、あの撮影の時の?」
「ん、そうだよ
翔ちゃんが負けて酉年だからってあひる風呂に
入ってたヤツを、5匹分貰って来たんだって」
「じゃあこれが、智くんで
この子がニノ、あと、相葉くんに、
こっちの子が潤かな。これが…俺だよね?」
最後に選んだ1匹は
智くんにぴったりくっつくように浮かんでて
智くんのあひるに
くちばしをちゅってしようとしてる。
「ん、じゃあこうだな!」
智くんがその2匹のあひるを掴んで
いろいろな愛し合う体位を作ってくから
思わず後頭部を叩いちゃった。
「いってぇなにすんだよぉ!」
「だって、ダメだもん
みんなが見てるもん、そういう事は
2人きりのときにしないと…
みんなで仲良くするのは年に一回だけだもん…」
「うん…へへだねぇ
みんなと仲良くするの1回だけでいいの?
翔ちゃんが増やしたいっていうんなら…」
智くんのくちびるを塞いでしまう。
その先の言葉は今はまだ言わせない
2人きりの空間だもの
智くんにぴったりくっついてたい。
ニノも、雅紀も、潤も、みんな好きだよ
でも、智くんは大切な恋人
俺には特別な存在だからね。
