
ビタミン剤
第5章 夏まつり
「なんでさ、そんな町の祭まで
知ってんの?」
「ニュース番組の仲良いスタッフ
さん達がさ、
いろいろ情報を教えてくれたり
するからね。
俺が旅好きってことも知ってくれ
てるしさ?
全部はむりだけどいろいろまとめて
データにして取り込んでるし。」
「ヘェ
さすが翔ちゃんだわ。
やっぱマメだね、俺には絶対むり。」
「性分だからさ。
かず、やっといつもの口調で話して
くれてるね。
やっぱ格好変わっちゃうと
恥ずかしい?」
「そりゃ罰ゲームだからさ
仕方なしに我慢するけど。
こんな情け無い格好でわざわざ
外出て人目に晒すとかそれで機嫌が
良かったらバカでしょうが。」
「あはは
ま、ちょっと早目なハロウィーン
てことかな。」
「違うわ!あっちは仮装。
俺がさせられてるのは罰ゲーム
女装!ぜんぜん違うわ!」
「いやいや
普段のままでも充分かわいいけど
今日のはマジでサイコーっす
直ちに襲いたいくらいっす。」
2人で馬鹿言って笑いあって
車内は穏やかなムードに包まれてる。
