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ビタミン剤

第5章 夏まつり


「バーカ
スタンガンくらわしてやるもん。
にしてもさぁ
翔ちゃんの金髪って何年ぶり?」

「さあ、10年以上前?
若気の至りだったからねぇ
あの頃はビンビンに尖ってたし。」

「なんだか、今の翔ちゃん
ピカンチの映画のチュウが
まんま成長したってみたいだね。」


ヒゲ生やしてグラサンして
ご丁寧にマスクもする変装
染めた金髪をオールバックに流して
かためてる。


「イェ〜イ
一夜のランデブー
おもいっきり楽しもうぜぃ。」


「もしかしたら翔ちゃんが
嵐の中で1番変わってないかもね
見た目は随分変わって
落ち着いてる風だけど、
中身はあの頃のまんまだもん。」


「かずも変わらずだよ。
いや、あの頃より大人の色気が
にじみ出てて、マジマブいっす。」

頬を膨らませながらも
頭を俺の肩口にくっつけて
甘えるニノは浴衣の所為もあって
やけに艶っぽくて
信号で停車した隙にチュッと
唇をくっつけた。

人目をはばからずにこんな
真似できるのなんてまず無いし
ニノの瞳もなんか何時にも増して
うるうるしちゃってる?

「翔ちゃん
信号青に変わってるよ。」


動きだした車中はやけに
あまーい雰囲気が漂ってて
高速に乗って走行車線を走りだすと
ニノが手まで繋いでくるから
まさかの激甘モード突入?

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