
ビタミン剤
第36章 続 縁結びの神さま
向かいのソファには
サトちゃんとショウタンを座らせて
むちゅうって、ややショウタンが襲い気味で
くっ付いてた。
おいらたちとおんなじ
あっちも2匹仲良くしてるみたいだ。
「ねえねえ、翔ちゃん
おいらも翔ちゃんのおにぎり食いたい」
「うーん、じゃあ智くんにはおにぎり
じゃないやつつくるね。」
晩飯を温め直してる間
手のひらに塩を多めにつけてお茶碗にこんもり
盛って湯気の上がるご飯を、ふうふう冷ましながら
不器用な翔ちゃんが一所懸命に
三角形のかたちににぎにぎしてくれた。
やっと智くんにお披露目できる日が来たよって
微笑んでお皿に乗っけてくれる。
「おわ、でっけーおにぎり!
翔ちゃんめっちゃ上手じゃんっ」
「違うよ、これは、おむすび。
ちょっとぶさいくだけど愛情いっぱい込めて
にぎにぎしてあるからね。」
「おにぎりとおむすび?」
おにぎりとおむすびの言い方の違いや神様の
話しとか、やっぱりおいらの翔ちゃんは
なんでも知ってて賢いんだよなぁ。
「へぇ、山の神さまのパワーかぁ
おぉ、めっちゃ美味そう」
頬染めて、おいらとしっかり結ばれたいとか
ますます惚れちゃうよ?
「おっし!
翔ちゃんお手製のおむすび喰って
神さまのパワーもらって
おいらまたベッドでガツガツ頑張るねっ!!」
「え?…や、あのね、さっきもう充分に…」
えっへへ、おむすびパワーで
盛大にハッスルして結ばれちゃったんだ。
