
ビタミン剤
第37章 サンクチュアリィ
井ノ原くん、三宅くん優しい先輩方々が
こっそり耳打ちしてくれたり
智くんやニノ、メンバーのみんなからも
さりげない激励や励ましの言葉のおかげで
前に向かって進んで来れたんだ。
水の流れる音がする
こんな場所にたった1人で来てたんだ。
川の流れの上流へと歩き続けていく
しっかりと握ってくれる手。
石や砂利を踏みしめて貴方が目指す場所へ
一緒に向かっていける喜びを踏みしめるよ。
空が開けてる河原、目の前には小さな滝
深い森の奥のなんにもない場所
こんなところにたった独りきりで
幾日も寝泊まりするとか、俺には有り得ない価値観
ストイックな准一くんらしくて笑みがこぼれた。
流れ落ちる滝つぼの水に手をつけてみると
ものすごい冷たさ。
「ひゃぁ冷たっ…飲める?」
「ああ。飲めるよ」
優しい笑顔でこたえてくれた准一くんに両手で
水を掬って差し出すと
俺を見つめながらスローモーションのように
ゆっくりと頭を下げて
手のひらの水を口にふくんでいく。
ぐっと両腕を掴かまれて引き寄せられて
くちびるを重ねて、たった今口へと含んだ水を
流し込まれる。
冷たい水が口腔への流れこんで
飲み込むと同時に情熱的なキスをされた。
准一くんの舌が口端を伝って流れ落ちる雫を舐めとってくれてもう一度くちびるへと戻ってくる。
