
ビタミン剤
第7章 人魚のナミダ
「はっきり言われた、
松潤のくせにヘタレとか。
松潤って勃たないんだとか。
松潤ってなんかダサいとか。」
ワインを勢いよく吹き出すニノ。
恋愛のケガは恋愛で癒すべきだと
知り合いに言われてみて、
やってみたもののことごとくが
惨敗だった。
雰囲気やムードまでは簡単に
持ち込めるのに、いざって時に
自分からリードなんてできなくて
まったく反応すらしなくて。
男として役に立たなくなって、
相手を怒らせて帰らせることも
有ったりあった。
顔を真っ赤にして笑うニノ。
挙句に笑い過ぎて涙まで流してる。
「ジェイさ、あのさ
間違ってたらごめん。聞いてもいい?」
「なんなんだよ、言ってみろよ。」
「もしかしたら、
ジェイって翔ちゃんが初めての
相手で、ずっと翔ちゃんとだけ
付き合ってたりしてた?」
「ああそうだよ。」
「まじですかぁ。
え?じゃあ……まさかの
オンリーワン翔ちゃん??」
「ああ、そうだけど。」
「うわぁ、すっげえ。
天然記念物みたい、そりゃ大事に
し過ぎるわ。翔ちゃんも。」
「なんでたよ。
付き合ってたら普通浮気なんて
しないしよそ見する必要もねえし。」
