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えっちの経験値

第4章 一之瀬蓮の事情②

「カラオケボックスが満室って嘘なんだ」
「そっか……そうだったんだ」

結城は軽蔑する態度を見せるわけでもなく
嘘をついた理由を聞くわけでもない。

ただ素直に飲み込んでいた。

「カラオケボックスだと……あれかなって……」

結城との二人の時間を店員や他の客に
邪魔されたくなかった。

「ぅん……あれだね。二人きりになりたかった
もんね」

言葉少なくしても結城は理解してくれた。

「ラブホってわけにもいかないしな」
「そうだね」

俺の冗談とも本気とも取れる発言に
結城は照れ臭そうに笑った。

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