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えっちの経験値

第61章 一之瀬蓮の事情⑰

「どうされました?」
「俺……胡桃の同級生なんです」

咄嗟に口にしてしまった。

馬鹿か、俺は。

「そうでしたか」

表情は変わらず穏やかだが
遠くを見つめ切なそうだった。

「胡桃は今とても幸せそうで……」

バカバカバカバカバカバカバカバカ……

俺は何が言いたいんだ。

「安心しました。ありがとうございます」

嫌味の無い満面の笑みに様変わりした。

きっと心の底から胡桃の幸せを
願っていたのだろう。

別れた原因は分からないが
夫婦の間柄の頃は
本條斗真も胡桃も幸せだったのだろう。

そう思いたい。

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