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えっちの経験値

第61章 一之瀬蓮の事情⑰

「彼女を見ていると胡桃を思い出します」

咲良は息つく暇もなく
がむしゃらに泳いでいる。

確かに……似てなくもない。

「胡桃って超ド天然ですよね」

胡桃から来たメールの話をすると
本條斗真は笑いを堪えきれないようだった。

「変わっていませんね。こんなに笑ったのは
久し振りです。重ね重ねありがとう
ございます。では、失礼させて頂きます」

出過ぎた真似をしてしまった故に
立ち去る本條斗真に一言も声を
掛けられずにいた。

胡桃の言葉を借りれば
本條斗真は俺とは真逆で
運を使い果たしてしまい
これからの人生は
逆境が待ち構えているのだろう。

本條斗真の背中に
試練を受け入れる覚悟を垣間見た。

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