Kissからはじめよう SO & AN
第11章 One Step1 翔
1-2
廊下からリビングへのドアは 開け放たれていたため、玄関からまっすぐ、視線を遮るものはなく、
智くんの肩に置かれた俺の手、限りなくZEROに近い二人の顔の距離
それらを一瞬で見て取った二宮は 次の瞬間
「やっべえ!財布コンビニに忘れてきた!」と叫び、思い切りドアを閉めた
「え?和くん、財布なんか持って行かなかったじゃん、五千円札1枚持ってただけで・・・」
「あ、そっか、俺ナニ勘違いしてんだろ・・・」
と言う声がドア越しに聞こえた後に 再びドアは開けられ、その時には俺はソファーに座って素知らぬ顔で雑誌をめくり、智くんはせっせとテーブルの上を片付けるという配置につくことができたのだが
あの時ほど自分の「石橋を叩いて渡る」A型気質を嘆いたことはない・・・