Kissからはじめよう SO & AN
第11章 One Step1 翔
「感謝はしてるよ、あの場で大騒ぎになること考えたら・・・」
「んふふ、そーでしょそーでしょ、俺って機転きくからな~・・・」
お気に入りの洋食屋に入りハンバーグランチを食べながら至極ご満悦な様子だが
「・・・なぁ・・・お前の好きな人って・・・」
「先輩、人のことはいいから自分の恋愛頑張ってね」
自分の話になると扉を閉ざすように言い放つ
「だって・・・俺には協力してくれたじゃないか。俺だってお前にうまくいってもらいたいよ、・・・何か力になれることあるかもしれないし」
「お互いに想ってるのにあともう1歩が踏み出せなかった先輩たちと 永遠に片想いの俺とじゃ全然ケースが違うでしょう。・・・俺は今のままでいいんです、って・・・」
笑顔でそう言うけど、俺の目を見ない・・・
そして小さな声でこう聞こえたような気がしたのは 俺の気のせい・・・?
「時々ね、どうしようもなく溜息つきたくなる夜があるだけです・・・」