Kissからはじめよう SO & AN
第22章 君のために僕がいる5 雅紀
今ならその時の「好き」は単なる憧れ、アイドルに対するファン心だと説明できるんだけど、その時の俺は「男が男を好きだなんて気持ち悪い」と言われたことが大層ショックで
返す言葉が浮かぶ余裕なんてなかった
「好き」って言うなら・・・俺、和くんのことだって「好き」だけど・・・
この気持ちもおかしいことなの?変なことなの?
和くんは、こんな俺のこと・・・気持ち悪いの・・・?
ピンスポを当てられたようにクローズアップされた幼い気持ち
思えばその時抱いてた気持ちなんて大したものじゃなかったのに
「イケナイコト」とレッテルを貼られたその瞬間に それは俺の中で特別なものになったのかも知れない