Kissからはじめよう SO & AN
第1章 コイゴコロ1 翔
ごくごく至近距離で見つめる彼女の顔は
ほんとに綺麗で、こんな時なのにうっとり&どきどきしてしまう
だけど 真っ赤になった彼女は俺の腕の中から跳ねるように飛び出し、脱兎のごとく走って行ってしまった
見る間に小さくなっていく背中・・・
「あ・・・・・・」
足、速ぇぇぇぇ・・・
あとに残されたのは
テイクアウト用の袋に入れられたまま 忘れ去られた・・・
何だ、これ?
クレープ?
「あれ?・・・あ、ちょっと・・・」
よろよろ歩いていたさっきの女の子と
同一人物とは思えないほどのスピードで
走り去っていく彼女の背中を、
俺はよたよたと追いかけ始めた