きみがすき
第13章 *ジュウニ*
え?あっためて?
何を?相葉ちゃんを?
誰が?俺が?
突然の言葉がなかなか理解できなくて、
ただ相葉ちゃんを見つめる。
「…えっと…」
相「なーんてね!冗談だよー!
俺ね!人より体温高いから寒くないの!」
パッと握ってた俺の手を離し、両手をあげておどける。
「…じょーだん?」
相「そ。冗談。ごめんねからかって。
それにマフラーは、大ちゃんに貸したんだから、今日は大ちゃんのだよ。」
にっこりとアイドルの様なスマイル。
キラキラとした笑顔。
だけど…なんだか違和感。
相「でも送らせてってのは冗談じゃないよ。
新しいメニュー案も手伝ってくれたし、お礼。」
ね?っと俺の顔を覗きこむ。
「…じゃぁお願いしていい?
この間も送ってくれたのに、ごめんね。ありがとう。」
相「全然!お安いご用。」
声もいつも通り明るい。
でも、やっぱり…
相「じゃ、行こっか。」
にっこり笑って、くるりと向きを変えて歩き始める。
…違う。
そうじゃない。
その笑顔じゃない。
「寒い!」
相「え?」
少し進んだ所で俺を振り返る。
「寒い」
相「…大ちゃん?」
「すごく、寒いよ」
相「…」
大きく開いた瞳。
でも、直ぐにその瞳がゆっくりと細められる。
ねぇ相葉ちゃん。
笑ってよ。
相「…そっか
…じゃぁ…
あっためてあげる。」
そう言ってきみは、俺のすきな笑顔で笑ってくれたんだ。