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きみがすき

第13章 *ジュウニ*



「♪~♪♪~~~♪」

俺でも知ってる人気アイドルの陽気なラブソング。

それを鼻歌で歌ってるのは、少し斜め前を歩く相葉ちゃん。


『あっためてあげる』と差し出された手を、
ぎこちなく握ったのは、ちょっと前。

そして、その手をぎこちなく包み込んでくれたのは、俺より少しだけ大きな、冷たい手。

そのまま相葉ちゃんのポケットに入れられて
今に至るんだけど…



そりゃね、

いろいろね、

いろいろさ、

聞きたいことはあるんだよ。


デートはどうしたの? とか

なんでそんなにご機嫌なの? とか

相葉ちゃんは今、何を思ってるの? とか


でも…何も聞かないことにした。

これが、相葉ちゃんにとって何ともない事だとしても、俺は嬉しいから。


うん。やっぱりすき だなぁって思った。


この時間が少しでも長く続くように、今はこの時間を大切にしよう。


もうすっかりぽかぽかになった相葉ちゃんの手を、少しだけ力を入れて握る。


こんなんで気持ちが伝われとは言わない。

でも、こんな俺を少しでも意識して欲しい。


きゅっ。と握り返された手。


あーーもーー!
今なら何でも頑張れちゃいそうだ(笑)

こんなことで嬉しくなっちゃうんだね。

恋ってすごいんだね。ニノの言ってた通りだよ。

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