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きみがすき

第13章 *ジュウニ*

*大野*




ニ「それで?」


「それでって?」


ニ「いやだから、その後は?」


「え?相葉ちゃんの車でアパートまで送ってもらったけど?」


ニ「それだけ?!」


「…それだけって、他になにするの?」


ニ「……はぁぁ。」


俺の目の前には、ヒレカツを食べながら盛大にため息を吐き出すニノ。



ことの経緯はこうだ。

相葉ちゃんに送ってもらった次の日。
まぁ普通に平日だったから、まぁ普通に仕事をしてるよね。

ニノから昼飯食べに行こうって誘われて、んじゃヒレカツが美味しい店に行こうってなって、
注文したヒレカツ定食が届くまでの間、ついポロっと、帰り道で相葉ちゃんに会ったこと言っちゃったの。

そこからのニノの食いつきようったらね…。


所々かい摘まんでしか話してないけどさ、
俺、なんかため息つかれるようなことしたかなぁ?
てかニノ、だいぶ本性…間違った、心を開いてくれるようになったよね。


あ、話はそれるけど、
俺自身、人と関わるのがちょっと苦手。

人が考えてることや思ってることを察するのが得意じゃないし、俺自身、何を考えてるのかわからないって言われちゃう。

だって他人同士なんだから仕方ないじゃん。

って昔は思ってた。


ニノの指導者を任されてからかなぁ…考えが変わったの。あの頃はニノにも周りにも迷惑かけたな。少し前なのに懐かしい。

今ではこんなになついてくれるんだもん。

ニ「…さん?」

可愛くて仕方がないよね。

ニ「大野さん!」


「え?なに?」


ニ「もぉ!人の話聞いてくださいよ。」

ニノって『もぉ』って言うの癖だよね(笑)

「ごめん。ニノのこと考えてて。」


ニ「はぁ?!…なに言って…」

耳が赤くなった。
ほら、可愛いよね。

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