きみがすき
第13章 *ジュウニ*
大「ご馳走さまでしたー。」
丁寧に手を合わせてから、伝票を持って席を立つ。
今日は割勘だってさ。残念。ま、奢ってもらったばっかりだしね。
店を出て、とぼとぼと大野さんの横を歩いて会社へ向かう。
なんかなぁ…。世の中上手くいかないよね。
男とか女とか、どっちでも良いじゃんね。すきならさ。世の中が根本的に変われば良いのに。
相葉さんもさぁ…
…
……
ん?まてよ。
「ねぇ大野さん。」
大「…んー…?」
「いや、歩きながら寝ないでくださいよ。」
大「…お腹いっぱいになると眠くなるなぁ…」
子供か!
「ねぇ相葉さんと手、繋いだんですよね?」
大「…うん。相葉ちゃんの手…冷たいんだもん。」
むにゃむにゃと眠そうに話す。
赤ちゃんか!
「世間一般的なこと言いますけど、男同士で手は繋がないですよね?」
大「あは、そーだろうね(笑)」
「いくら寒いっていっても、俺なら潤くん以外と手繋ぐなんて無理ですよ?」
大「そこだよねぇ。俺もなんで手、繋いでくれたかわかんない。」
じゃぁ、やっぱり相葉さんも大野さんを意識してんじゃ…
大「まー、俺が強引にもってったようなもんだけどなぁ。」
あ、大野さんなりに頑張ったのね。
天然でぶっ込んだのかと思ってたわ。